BtoBセミナーの集客を安定させたいと考えている方も多いのではないでしょうか。特に無料オンラインセミナーは開催の負担を抑えやすく、参加者も気軽に申し込みやすいため、見込み客との接点を増やす入口として活用できます。
当社がマーケティング支援をしている日本AI導入支援協会では、AI関連の無料セミナーの企画やマーケティングを実施していますが、毎月安定してセミナーの参加者を増加できています。広告は使っておらず、すべてSEOのオーガニック獲得です。
オンラインセミナーの申込実績
以下、2026年4月から9月までのオンラインセミナーの申込実績です。開始したばかりの4月は6件でしたが、8月は52件、9月は月末までで84件の申し込みがありました。9月に初めて申し込んだ人は73人です。

| 対象月 | 申込件数 | 初回申込人数 |
|---|---|---|
| 2026年4月 | 6 | 6 |
| 2026年5月 | 19 | 17 |
| 2026年6月 | 7 | 6 |
| 2026年7月 | 24 | 21 |
| 2026年8月 | 52 | 51 |
| 2026年9月 | 84 | 73 |
※9月は2026年9月30日までの集計。申込件数には同じ人による複数回の申込を含みます。初回申込人数は、過去の履歴も含めて同一メールアドレスの初回申込を集計しています。4〜8月は公開時の集計値です。
開始からわずか半年ですが、このように無料のオンラインセミナーを定期開催することで、月のハウスリストを広告費を使わずに安定供給していくことが可能になります。
本記事では、無料オンラインセミナーでハウスリストを作る手順から、自社媒体で集客する企画の考え方、AIを使ったニーズの分類、リストを活用した案内やフォローまでを解説します。
この記事の監修者
藤岡 充輝
合同会社efu 代表
営業・マーケティング・事業開発の領域で約10年の経験を持ち、企業の事業成長を支援。2021年に合同会社efuを設立し、経営・事業課題の整理から、マーケティング戦略・KPI設計、集客・営業プロセスの構築までを手がける。SEO・広告・CRM・セールスを横断し、戦略策定にとどまらず、施策の実行・改善まで一貫して支援する。
現在は、生成AIを活用したマーケティングの高度化や業務設計、企業のAI導入支援にも注力。一般社団法人日本AI導入支援協会の代表理事も務める。
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無料オンラインセミナーでハウスリストを作る
法人向けのBtoBセミナーを実施する際には、まず無料のオンラインセミナーを実施するのがおすすめです。リアルセミナーは濃いコミュニケーションが取れるのは大きなメリットなのですが、開催側だけでなく参加者側にも負担が大きいのがデメリットです。まずは無料のオンラインセミナーでリストを集めて、リアルセミナーにつなげる、という流れを作っていくのが良いでしょう。
ここでは、すぐに商品を買う人だけを集めようとせず、まずは情報収集をしている人も含めて集めておきます。
リアルセミナー・カンファレンス・DM・商談につなげる
リアルセミナーやカンファレンスを開くときには、そのリストにDMを送って集客します。集めたリストには、自社サービスの資料や商談の案内も送れます。
ただ、参加者が全員、今すぐサービスを使いたいと思っているわけではありません。具体的に検討している人には打ち合わせの日程を送り、まだ情報収集をしている人には資料を送るなど、その人に合わせてフォローしていきましょう。詳しいフォローやナーチャリングの方法については後半で詳しく解説します。
集客につながるBtoBセミナーの企画方法

基本は、トレンドワード×自社の専門性を軸に考えていきます。
今なら、AIに関連するテーマが集客しやすいと思います。例えば、Claude CodeやCodexといったツールを特定の業界でどう使うか、という切り口で考えてみましょう。いくつかトレンドキーワードを絞って、Googleトレンドで検索の動きを見ながら、どのテーマにするか検討するのがおすすめです。
この考え方を踏まえて、セミナーの企画方法を詳しく見ていきましょう。
決裁者が知りたい情報からテーマを考える
テーマを考える際は、自社の商品やサービスを必要とする顧客が、そもそも何に困っているのかを掘り下げましょう。例えば、SaaSであれば自社の業務効率を改善したい、人材サービスであれば良い人材を採用したいといった悩みが考えられます。
顧客は、そうした課題を解決するために情報を集めています。自社商品を紹介する前に、顧客企業の決裁者が普段どのような情報収集をしているのか、何を知りたがっているのかを類推することが大切です。
例えば、人事系のSaaSを扱っているなら、その商品自体にまだ関心がなくても、人事評価について知識を深めたい決裁者には参加してもらえる可能性があります。商品を必要とする背景にある悩みから、学びたい内容へと考えを広げていきましょう。決裁者が知りたい情報を提供することに特化すると、自社サービスにもつながるテーマを考えやすくなります。
時事性と自社の専門性を組み合わせる
定期開催するオンラインセミナーでは、時事的に関心を持たれやすいトピックを取り入れましょう。例えば、AIに関するテーマや、法改正のタイミングで押さえておきたい注意点などが考えられます。参加者が今知りたいと感じる話題を扱うことが、集客につながります。
その際は、話題性だけでテーマを選ばず、自社の専門性を活かせるかどうかも考えることが重要です。多くの人が関心を持つ話題でも、自社ならではの知見を伝えられなければ、他の情報源との違いを出しにくくなります。
AIを取り上げる場合も、自社が関わる業務や業界の知見と組み合わせましょう。人事系SaaSであれば「AIで変わる人事評価」のように、自社の専門領域に引き寄せることで、決裁者が知りたいことと時事的な話題を結びつけられます。
現場の情報や導入企業の事例を提供する
参加者は、YouTubeや書籍、Web記事などからも情報を得られます。その中で、わざわざ時間を使ってセミナーを受講してもらうには、現場で実際に働いている人の生の情報を伝えることが重要です。自社が持つ専門知識や、実際の業務を通じて得た情報を内容に反映しましょう。
例えば、人事系SaaSで「AIで変わる人事評価」を扱う場合、自社SaaSの導入企業にヒアリングし、集まった事例をまとめて解説する企画が考えられます。現場の話をもとに説明することで、人事評価について理解を深めたい参加者に、実務に即した情報を提供できます。
時事的なテーマで興味を持ってもらい、セミナーの中では自社の専門性や導入企業の事例を通じて理解を深めてもらいます。話題の紹介だけで終わらず、現場の情報まで届けることがポイントです。
広すぎず、狭すぎないテーマにする
「〇〇業界×AI」という大きな括りだけでは、他のセミナーと似た内容になりやすく、決裁者が実際に知りたいことからずれる場合があります。AIへの関心が高くても、その言葉を入れるだけで自社の見込み客が集まるわけではありません。
一方で、テーマを絞り込みすぎると、関心を持つ人も限られます。自社サービスの決裁者が見たいと感じる具体性を持たせながら、情報収集を始めた段階の人も参加できる広さを保つことが大切です。
企画を考える際は、「自社の媒体で集客できるか」「時事的で、深く関心を持つ人が多いか」「自社の専門性を活かせるか」「広すぎず、狭すぎないか」をあわせて確認しましょう。テーマの新しさや専門性のどちらかだけで判断せず、これらの条件を満たす内容へ整えていきます。
集客に苦戦するセミナー開催で間違えやすいポイント

売りたい商品をそのままセミナーのテーマにしてしまう
ユーザーのニーズを考えず、自社で売りたい商品やサービスに近いテーマを選ぶと、集客に苦戦しやすくなります。例えば、Aという商品を売りたいからといって、「Aという商品を解説するセミナー」と直接的に募集しても、その商品を知りたい人以外には参加する理由が伝わりません。
一見するとコンバージョン(CV)に近く、効率がよさそうに感じます。しかし、その商品について詳しく知りたい顕在層には、LPから直接CVを獲得する方針が合っています。ハウスリストを作るための無料オンラインセミナーでは、それよりも検討の浅い潜在層まで含めて集めることを狙います。
商品の説明を企画の出発点にするのではなく、その商品を必要とする人が何に困っているのかまで立ち戻りましょう。課題に関する知識を得られる内容にすることで、まだ特定の商品を検討していない人にも参加する意味が生まれます。
決裁者が知りたい情報を考慮しない
無料オンラインセミナーを受講する人は、「勉強したい」「理解を深めたい」と考えています。自社が伝えたい内容を並べるだけでは、参加者が学びたいこととずれてしまいます。決裁者が知識を得るために時間を使いたくなるかどうかを考えることが重要です。
例えば、人事系SaaSを売りたい場合でも、決裁者が今知りたいのは、商品そのものより「AIによって人事評価がどう変わるのか」という話かもしれません。自社の商品に関連していることだけでテーマを決めず、決裁者の情報収集の関心まで考慮しましょう。
潜在層を含めて広く集めるためには、導入を具体的に考えている人にしか意味のない内容に偏らないことも大切です。参加者が知りたいことへの理解を深められる内容を用意し、その接点をハウスリストとして蓄積していきます。
自社サービスと関係のないテーマを選んでしまう
参加者を広く集めようとして、自社サービスとまったく関係のないテーマを選んでしまうことにも注意しましょう。興味を持って参加する人がいても、その人の悩みと自社サービスで解決できることがつながっていなければ、獲得したリストからCVにつなげにくくなります。
無料オンラインセミナーで作るハウスリストは、その後の集客や営業活動に活用していきます。そのため、参加したいと思われるテーマであることに加えて、自社サービスを必要とし得る人の関心に沿っていることが重要です。
商品そのものの説明に寄せすぎず、商品との関係も切り離さないようにしましょう。決裁者が知りたい情報と、自社サービスが扱う課題の両方に接点があるテーマを選ぶことがポイントです。
SEOを軸に無料オンラインセミナーへ集客する方法

自社サイトで流入が見込めるテーマを選ぶ
無料オンラインセミナーの集客では、SEOによる自社サイトへの流入など、オーガニックで継続的に獲得する方針を軸にします。そのため、企画の段階から、自社サイトで流入が見込めるテーマかどうかを考えることが大切です。
自社が話せる内容でも、自社の媒体で関心を持つ人に届かなければ、参加者を集めにくくなります。決裁者が知りたい情報を考える際に、その情報を求めて自社サイトへ来てもらえるかまで結びつけて検討しましょう。
オーガニックでの獲得を基本に、広告を補足的に活用する
無料オンラインセミナーへの集客に広告を使う場合は、広告費をかけて申し込みを獲得した後にも、商談やリアルセミナー、資料請求などにつなげる工程が必要になります。申し込んでもらった時点で売上が立つわけではなく、その後の段階で離脱する可能性もあります。
さらに、無料オンラインセミナーには情報収集を目的とする人が多く参加します。すぐに自社サービスを利用するとは限らないため、獲得後のナーチャリングにも時間をかける必要があります。広告費を支払ってリードを獲得しても、受注までにもう一段階以上の働きかけが必要になる点を考えておきましょう。
こうした流れを踏まえると、無料オンラインセミナーへの集客を広告中心にして、その費用を正当化することは簡単ではありません。まずは自社サイトやSNSなどのオーガニックで定期的に獲得できることを基本にし、広告は補足的に活用することがポイントです。
無料オンラインセミナーを定期開催してハウスリストを増やす

同じ内容で繰り返し開催する
定期開催するオンラインセミナーは、毎回内容を変える必要はありません。同じテーマでも、まだ参加していない人との接点を増やす機会として活用できます。新しい企画を次々に用意することにこだわらず、ハウスリストを蓄積するために開催を続けていきましょう。
繰り返し開催する内容には、時事的に関心を持たれやすく、自社の専門性も活かせるテーマを選びます。決裁者が知りたい情報を提供できる内容を用意し、それを定期的に届けることで、次の集客や営業活動につながる母集団を増やしていきます。
人数が少ない時期は1対1で実施する
セミナーに参加者がなかなか集まらない時期は、最初から集合型にこだわる必要はありません。人数が少なくても、まずは1対1で開催を始めましょう。複数人がそろうことを前提にすると、申し込みが少ない段階では開催しにくくなります。
無料オンラインセミナーを開く理由は、見込み客との接点を作り、ハウスリストを蓄積することにあります。1対1であっても、その後の資料送付や商談の案内につながる接点を持てます。初期は参加人数に合わせた形式で実施し、少しずつリストを増やしていくことが大切です。
参加者が増えたら曜日・時間を固定する
1対1での開催から始め、参加者が増えてきたら、曜日や時間を固定した集合型のオンラインセミナーへ順次切り替えていきます。人数が少ない時期から集合型だけで運営しようとせず、集客状況に合わせて開催形式を変えましょう。
集合型への切り替えにあたっても、セミナーの内容まで新しくする必要はありません。同じ内容での定期開催を基本に、参加人数が増えた段階で複数人に向けて届けていきます。企画を毎回作り直すことよりも、継続してハウスリストを増やせる形にすることがポイントです。
獲得したハウスリストを活用するナーチャリングの方法

無料オンラインセミナーを開催し、リストを集めているだけでは売上につながりません。参加者には課題や検討状況の違いがあるため、全員に同じ訴求を1回だけ送って終わらせず、相手に合わせてフォローすることが大切です。申込時に集めた情報を使ってニーズを整理し、受注につながる働きかけを行っていきます。
申込フォームで現在の課題を聞く
参加者のニーズを把握するために、申込フォームでは「現状、困っている課題」を必須項目にしましょう。短い文章でも回答してもらうことを参加の条件にして、どのような悩みを持って申し込んだのかを確認できるようにします。
セミナーへの参加を希望する人は、1時間ほど使ってでも勉強したいと考えています。その前提で、まずは短い回答から困りごとを把握していきます。詳しい長文を書いてもらうことにこだわらず、参加者自身の言葉で課題を聞くことがポイントです。
同じセミナーに参加していても、抱えている課題まで同じとは限りません。申込時の回答を集めておくことで、その後にAIでニーズを分類したり、案内するサービスを選んだりする際にも活用できます。
AIで「今」と「検討中」に分類する
申込時に集めた回答は、AIを使ってニーズごとに整理できます。ただし、最初から細かな分類を作り込み、複雑なフォローのパターンを用意する必要はありません。まずは「今」と「検討中」の2つに分けて、営業対応の優先順位をつけましょう。
無料オンラインセミナーで集まる人には、まだ情報収集をしている段階の人も多く含まれます。そのため、一人ひとりへの対応を細かく設計しても、運用にかかる人件費を回収できるとは限りません。AIで分類できることと、細分化したすべての相手に営業の時間をかけることは分けて考えることが重要です。
また、決裁者ではない一般社員の参加者も、「検討中」に含めておきましょう。本人がその場で導入を決められなくても、社内の決裁者に情報を共有してくれる可能性があります。部署異動などをきっかけに、後から決裁者の立場になる場合もあるため、今すぐ商談につながらない人とも接点を残していきます。
検討状況に合わせて資料送付と営業フォローを行う
AIで「今」に分類した人には、自社サービスの資料と打ち合わせの日程を送り、電話でもフォローします。営業の時間を優先的に使い、資料を届けた後の商談につなげていきましょう。
「検討中」の人にも資料を送りますが、電話でのフォローは営業の対応余力に合わせて行います。今すぐ対応したい人へのフォローを進めたうえで、時間が取れるタイミングで連絡する順番にします。
参加者の検討状況にはグラデーションがあるため、全員に同じ案内を一度送るだけでは、それぞれに合った働きかけができません。最初は2つの分類を使い、優先して商談へつなげる人と、資料を届けながら接点を持つ人で、営業対応の順番を分けることがポイントです。
複数のサービスがある場合は、案内するサービスをAIで選ぶ
自社で複数のサービスを扱っている場合は、フォローする順番に加えて、どのサービスを案内するかの判定にもAIを活用できます。申込フォームに記載された課題をもとに、その人のニーズに関連するサービスの資料を選んでいきましょう。
同じセミナーに参加した人でも、困っていることが違えば、案内したいサービスも変わります。「今」か「検討中」かで営業対応の優先順位をつけ、それぞれの課題に応じて送る資料を変えることで、複数のサービスを参加者のニーズに合わせて案内できます。
終了後のアンケートを受注やLPに活用する
セミナー終了後には、必ずアンケートを送りましょう。申込時に聞いた課題に加えて、受講後の回答も集め、その後の営業フォローや受注につなげていきます。参加者の状況に合わせて働きかけるために、セミナーが終わった後も回答を得る機会を持つことが大切です。
また、定期開催を通じてアンケートの回答が蓄積したら、LPにも活用できます。セミナーで集めたリストを営業活動につなげるとともに、寄せられた回答を今後の案内にも活かしていきましょう。
まとめ
まずは無料のオンラインセミナーを定期開催して、ハウスリストを作っておきましょう。リアルセミナーやカンファレンスを開く際には、そのリストにDMを送って集客します。資料送付や商談の案内にも使えるので、情報収集をしている人も含めて集めておくことが大切です。
テーマは、トレンドワード×自社の専門性を軸に考えます。決裁者が知りたいことと、自社サイトからの流入が見込めるテーマを照らし合わせ、現場の情報や導入企業の事例を伝えていきましょう。
開催後は、申込時に聞いた課題をもとにAIで参加者を「今」と「検討中」に分け、資料送付や電話でフォローします。無料セミナーの開催だけで終わらせず、集めたリストを次の集客や営業活動に活用していきましょう。

