リードが月に数十件の規模なら、リード管理はGoogleスプレッドシートの台帳で足ります。SFA(営業支援ツール)の月額費用も、導入・定着の手間もかけずに、問い合わせから商談までの状態を1枚で追える。ただし、それは台帳の設計がまともであることが条件です。フォームごとにバラバラのシートが増え、同じ人が2回問い合わせて別の行になり、対応したかどうかが誰にも分からない。スプレッドシート管理が破綻するのは、ツールの限界ではなくほとんどが設計の問題です。
設計の原則は3つあります。1リード1行で書くこと。すべての獲得経路を1枚の台帳に集約すること。そして全行に通し番号(リードID)を振ること。この3つを守った台帳と、フォームからの自動追記、月初のフォーム別集計という2つの運用を組み合わせれば、SFAに移るまでのリード管理は安定して回ります。実運用中の台帳の設計をもとに解説します。
この記事の監修者
藤岡 充輝
合同会社efu 代表
営業・マーケティング・事業開発の領域で約10年の経験を持ち、企業の事業成長を支援。2021年に合同会社efuを設立し、経営・事業課題の整理から、マーケティング戦略・KPI設計、集客・営業プロセスの構築までを手がける。SEO・広告・CRM・セールスを横断し、戦略策定にとどまらず、施策の実行・改善まで一貫して支援する。
現在は、生成AIを活用したマーケティングの高度化や業務設計、企業のAI導入支援にも注力。一般社団法人日本AI導入支援協会の代表理事も務める。
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BtoB SEO対策の支援を見るリード管理台帳の設計原則: 1リード1行・1枚に集約・IDで通す
台帳の形を最初に決めます。原則の1つ目は1リード1行です。1件の問い合わせ・資料請求・セミナー申込が1行になり、その行に対応の経過を書き足していきます。行が状態を持つ、が基本形です。2つ目は、獲得経路がいくつあっても台帳は1枚に集約することです。資料請求用、問い合わせ用、セミナー用とシートを分けると、同一人物の重複が見えず、月次の合計を出すたびに串刺し集計が必要になります。経路の違いは「経路」列の値で持たせて、物理的には1枚にします。3つ目は全行への通し番号(リードID)です。IDがあると、対応記録や見積もりなど台帳の外の情報から特定の1件を指せるようになり、行の並べ替えや重複整理をしても取り違えが起きません。

列は図の程度で足ります。大事なのは列を増やしすぎないことです。埋まらない列は運用を重くするだけなので、迷ったら「次のアクションを決めるのに要る情報か」で判断します。従業員規模や予算感のような営業情報は、商談になってから対応メモに書けば十分です。
運用は2つだけ: 自動追記と月初のフォーム別集計
台帳を人が手入力で更新する運用は続きません。フォームの送信内容は連携プラグインで台帳へ自動追記させ、人が書くのは対応状況と次アクションの2列だけにします。フォーム側の実装は「資料請求フォームの作り方、WordPressとスプレッドシートで受付から台帳まで自動化する手順」で解説した通り、項目名=列名の対応で自動化できます。
もう1つの運用が、月初にフォーム別のリード数を数えることです。これは報告のためではなく、異常検知のためです。実測の運用では、サイト全体のリード合計だけを見ていたために、ある月に資料請求だけが7件から1件へ崩れていたことへの気づきが遅れました。経路別に数えていれば、合計がそこそこでも「この経路だけ死んでいる」が月初に分かります。フォームのサイレント故障や導線の切断は起きるものとして、検知の仕組みを運用に入れておくのが安全です。

SFAに移るのはいつか
この台帳運用には限界もあります。目安として、営業する人が3人を超えて対応の割り振りが必要になったとき、リードが月100件を超えて一覧で追えなくなったとき、メール配信やスコアリングのような自動化を本格的に使いたくなったとき。そのいずれかが来たらSFAやCRMへの移行を検討する段階です。移行するときも、1リード1行・ID付きの台帳がそのままインポート元データになるため、初期の設計投資は無駄になりません。逆に言えば、そこまでの規模になるまでは、道具ではなく導線と対応速度に投資する方がリードは増えます。
合同会社efuは、リード獲得の導線設計から台帳・計測の実装までを支援しています。自社のリード管理を整えたい方は、AI検索最適化(LLMO)の支援からご相談ください。

