HubSpotの使い方は?BtoB企業が最初に設定する7項目と運用手順

HubSpotの使い方は?BtoB企業が最初に設定する7項目と運用手順

HubSpotは、顧客管理、営業案件の管理、フォーム、メール配信、レポートなどを一つの基盤で扱えるツールです。ただし、使える機能を順番に試すだけでは、顧客情報が増えても営業活動や受注にはつながりません。

BtoB企業が最初に作るべきなのは、問い合わせが入る、担当者が決まる、商談が作られる、受注結果が記録されるという一連の流れです。コンタクト、会社、取引の3つを中心に、ライフサイクルステージ、フォーム、レポートをつなげれば、小さく運用を始められます。

藤岡 充輝
監修者
efu - 藤岡 充輝
合同会社efu 代表

AIを活用したBtoBマーケティングの戦略設計から実行までを担当。検索流入を軸にした集客と、AIXの現場知見をもとに記事を監修しています。

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目次

HubSpotとは?顧客管理からマーケティング・営業までを一元化するCRM

HubSpotは、顧客情報を中心に、マーケティング、営業、カスタマーサービス、Webサイトやコンテンツ、データ連携を管理できるCRMプラットフォームです。問い合わせ前のWebサイト訪問から、フォーム送信、営業対応、商談、受注、受注後のサポートまでを同じ顧客データへつなげられます。

CRMは顧客情報を保存する基盤です。HubSpotでは、その基盤上に目的別の製品が用意されています。必要な製品だけを契約する方法と、複数製品をまとめたカスタマープラットフォームを契約する方法があります。

HubSpot公式サイトの製品概要ページ
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HubSpotでできること

中心にある顧客データを各部門で共有できることがHubSpotの特徴です。例えば、マーケティング担当が獲得したリードの閲覧ページを営業担当が確認し、商談化後は取引パイプラインへ移し、受注後は問い合わせ履歴をサポート担当へ引き継げます。

製品・機能 できること 主な利用部門
Smart CRM コンタクト、会社、取引、対応履歴などの顧客データを一元管理する 全部門
Marketing Hub フォーム、メール配信、広告、セグメント、マーケティングオートメーション、効果測定を行う マーケティング
Sales Hub 商談、取引パイプライン、タスク、日程調整、営業メール、売上予測を管理する 営業
Service Hub 問い合わせ、チケット、共有受信トレイ、ナレッジベース、顧客満足度を管理する カスタマーサポート
Content Hub Webサイト、ランディングページ、ブログなどのコンテンツを作成・運用する マーケティング、Web担当
Data Hub 外部ツールとのデータ同期、データ品質の管理、業務プロセスの自動化を行う 管理者、マーケティングオペレーション

全ての製品を最初から導入する必要はありません。顧客管理だけならSmart CRM、フォームとメール配信まで行うならMarketing Hub、商談管理を整えるならSales Hubというように、解決したい業務から選びます。

HubSpotが多くの企業に選ばれる理由

HubSpotが選ばれやすい理由は、顧客管理だけでなく、マーケティング、営業、カスタマーサポートまでを同じ顧客データでつなげられる点にあります。部門ごとに別のツールを使う場合に起こりやすい、データの重複や引き継ぎ漏れを減らせます。

無料ツールから小さく始め、必要になった機能だけを追加できることも導入しやすさにつながっています。事業や利用人数が増えた後は上位プランや別のHubを追加できるため、最初から大規模なシステムを構築せずに運用を始められます。

フォーム、メール、商談、問い合わせ履歴、レポートが一つの画面につながるため、ツールの操作だけでなく、集客から受注までの業務全体を設計したい企業に向いています。

HubSpotの料金とプラン

HubSpotの料金は、利用する製品、プラン、シート数、マーケティングコンタクト数、HubSpotクレジットなどで変わります。次の表は、マーケティング、営業、カスタマーサービス、コンテンツ、データ管理をまとめたカスタマープラットフォームの公式料金表に表示されている最低利用料金です。

プラン 最低利用料金 含まれる利用者数 向いている企業
無料 0円/月 2人まで 顧客管理や基本機能を試したい企業
Starter 840円/月/シートから 契約するシート数 無料版の上限を広げ、複数製品の基本機能を使いたい企業
Professional 156,000円/月から 6シートを含む 部門をまたぐ自動化や詳細なレポートを使いたい企業
Enterprise 564,000円/月から 8シートを含む 大規模な組織で高度な権限管理とガバナンスが必要な企業

Starterの840円は、公式ページに表示されている新規顧客向けの期間限定価格です。年払い・月払い、追加シート、マーケティングコンタクト数、各製品の個別契約によって総額は変わるため、導入時は必要な機能を選んだうえで公式見積もりを確認します。

HubSpotカスタマープラットフォームの公式料金表を見る

HubSpotの使い方は、問い合わせから受注までの流れを先に作る

初期設定で全機能を使える状態にする必要はありません。まず、自社の顧客獲得プロセスをHubSpot上で再現します。BtoB企業であれば、次の流れが最小単位です。

顧客の動き HubSpotで使う主な機能 記録する内容
問い合わせ・資料請求 フォーム、コンタクト 氏名、メールアドレス、会社名、流入元、問い合わせ内容
見込み客の確認 会社、ライフサイクルステージ 対象業種か、担当者へ引き渡すか
営業対応 アクティビティー、タスク メール、電話、面談、次回対応日
商談化 取引、取引パイプライン 金額、商談段階、受注予定日、失注理由
振り返り レポート、ダッシュボード 流入元別の商談数、受注数、売上

この一連の流れが動いてから、メール配信、スコアリング、ワークフローなどを追加します。最初から自動化を広げると、定義が曖昧なデータを自動で増やすことになり、修正範囲も大きくなります。

HubSpotで最初に理解する6つの項目

HubSpotでは、顧客や商談の情報を複数の単位に分けて管理します。画面操作より先に、何をどこへ保存するかを把握しておくと、同じ情報を複数の場所へ入力する問題を避けられます。

項目 役割 BtoB企業での例
コンタクト 個人を管理するレコード 問い合わせをした担当者、商談の決裁者
会社 法人・組織を管理するレコード 取引先企業、見込み企業
取引 商談を管理するレコード SEO支援の提案、システム導入案件
プロパティー 各レコードに情報を保存する項目 業種、従業員規模、商談金額、流入元
ライフサイクルステージ 顧客との関係がどこまで進んだかを示す リード、MQL、SQL、商談、顧客
アクティビティー 顧客との接点を時系列で残す フォーム送信、メール、電話、ミーティング、メモ

混同しやすいのが、ライフサイクルステージと取引ステージです。ライフサイクルステージは、コンタクトや会社と自社との関係を表します。取引ステージは、個別の商談が提案、見積もり、契約とどこまで進んだかを表します。同じ会社で複数の商談が生じる場合、会社のライフサイクルステージは一つでも、取引は案件ごとに作成します。

HubSpotの使い方を7ステップで解説

1. 管理者、利用者、権限を決める

最初に、アカウント全体を管理する人と、日常的にデータを入力する人を分けます。マーケティング担当、営業担当、管理者では、必要な閲覧範囲と編集範囲が異なります。

全員へ同じ権限を付けると、プロパティーやパイプラインが意図せず変更される可能性があります。営業担当は担当レコードの閲覧・編集、責任者はチーム全体の閲覧、管理者は設定変更というように、業務に必要な範囲から付与します。HubSpotの公式ヘルプでも、ユーザーごとに表示、作成、編集、削除の範囲を制御できると説明されています。

2. 保存するデータを決める

既存の顧客データを取り込む前に、コンタクト、会社、取引で必要な項目を決めます。HubSpotには既定のプロパティーがあるため、先に既定項目で代用できないかを確認し、不足する項目だけを追加します。

対象 最初に用意する項目
コンタクト 氏名、メールアドレス、電話番号、担当者、ライフサイクルステージ、獲得経路
会社 会社名、ドメイン、業種、従業員規模、担当者
取引 取引名、関連会社、金額、取引ステージ、クローズ予定日、獲得経路

入力項目を増やすほど分析できるように見えますが、入力されなければ使えません。必須項目は、営業会議やマーケティング施策の判断に使うものへ絞ります。

3. 取引パイプラインと各ステージの条件を決める

取引パイプラインは、自社の営業手順に合わせて設定します。ステージ名だけでは担当者ごとに判断が分かれるため、次のステージへ進める条件も決めておきます。

取引ステージ 進める条件の例
初回対応 問い合わせ内容を確認し、担当者を決定した
ヒアリング 課題、予算、導入時期、意思決定者を確認した
提案 提案書または見積書を提出した
契約確認 契約条件と開始予定日を確認している
受注 契約締結または発注を確認した
失注 失注理由と競合・保留時期を記録した

HubSpotの既定パイプラインをそのまま使うこともできますが、日本語の社内用語や実際の営業工程と合わない場合は入力が定着しません。会議で使っている区分とHubSpotの区分をそろえます。

4. 既存データを少量で試してから取り込む

HubSpotのインポートでは、スプレッドシートの列をプロパティーへ対応させ、コンタクト、会社、取引などのレコードを作成・更新できます。重複を避けるため、コンタクトはメールアドレス、会社はドメインを基本の識別情報として整えます。

いきなり全件を取り込まず、10件程度で試します。文字列、日付、選択肢、複数選択の値が意図したプロパティーへ入るか、コンタクトと会社が正しく関連付くかを確認してから全件を移します。元データとインポート直前のファイルも保存しておきます。

5. Webサイトにトラッキングコードとフォームを設置する

HubSpot外で運営しているWebサイトでは、HubSpotのトラッキングコードを設置すると、サイト訪問とHubSpot上のコンタクトを関連付けられます。HubSpotフォームは、埋め込みコードを使って外部サイトにも設置できます。

フォームは入力項目だけでなく、送信後の処理まで設定します。最低限、次の4点を確認します。

  • 送信者に受付完了を表示または通知する
  • 社内の担当者へ通知する
  • コンタクトの担当者とライフサイクルステージを設定する
  • 資料請求や相談など、フォームの種類を判別できる値を保存する

プライバシーポリシーへの同意や、メール配信への同意も、取得目的に合わせて設計します。

6. ライフサイクルステージとフォロー方法を決める

新しいコンタクトが入った後、誰を営業へ渡すかを決めます。例えば、対象業種、従業員規模、相談内容、料金ページの閲覧などを判断材料にできます。ただし、データが少ない段階から複雑なスコアリングを組む必要はありません。

開始時は、フォームの種類と担当者による確認でリード、MQL、SQLを更新できれば十分です。運用件数が増え、判断基準が固まった段階でワークフローによる自動更新を加えます。HubSpotのライフサイクルステージは前進を前提に自動更新されるため、過去の段階へ戻す運用がある場合は、更新方法を事前に確認します。

7. ダッシュボードを営業会議で使う

レポートは作成数ではなく、意思決定に使えるかで選びます。最初のダッシュボードには、次の指標があれば運用状況を把握できます。

  • 獲得経路別の新規コンタクト数
  • MQL、SQL、商談の件数
  • 取引ステージ別の件数と金額
  • 受注数、受注金額、失注理由
  • 担当者が未設定のコンタクト数
  • 初回対応までの時間

週次会議で同じダッシュボードを開き、数字が動いた理由と次の対応を決めます。会議用のスプレッドシートを別に作り続ける状態であれば、HubSpot側の入力項目かレポートが実務に合っていません。

目的別にどこまで使えばよいか

HubSpotは、CRMだけから始める場合と、営業・マーケティングまでつなぐ場合で必要な設定が異なります。目的ごとの最小構成は次の通りです。

目的 最初に使う機能 運用開始の目安
顧客情報を一元管理したい コンタクト、会社、アクティビティー、担当者 顧客検索と対応履歴の確認がHubSpotで完結する
営業案件を管理したい 取引、パイプライン、タスク、営業レポート 全商談の段階、金額、次回対応日が確認できる
問い合わせから営業までつなぎたい トラッキングコード、フォーム、ライフサイクルステージ、通知 フォーム送信後に担当者が決まり、対応漏れを確認できる
見込み客を継続的に育成したい セグメント、マーケティングEメール、ワークフロー 配信対象、停止条件、営業へ渡す条件が定義されている

無料ツールでも顧客データの管理や基本的な設定から始められます。一方、複数の自動処理、詳細な権限管理、マーケティングメール、レポートなどは契約プランによって利用範囲が変わります。機能数だけでプランを決めず、必要な運用を先に書き出してから確認します。

HubSpotが使いにくくなる5つの原因

データの定義より先にインポートする

Excelの列をそのまま全て取り込むと、同じ意味のプロパティーが複数できたり、選択肢の表記が分かれたりします。既定プロパティーの確認、項目の統合、少量テストの順に進めます。

ライフサイクルステージと取引ステージを同じ意味で使う

顧客との関係と個別商談の進捗が混ざると、会社単位の見込み度と案件単位の売上予測を分けて集計できません。コンタクト・会社にはライフサイクルステージ、商談には取引ステージを設定します。

フォーム送信後の担当者が決まっていない

コンタクトが自動作成されても、担当者と対応期限が決まらなければ放置されます。通知先、割り当て方法、初回対応期限、対象外だった場合の扱いまで決めます。

全てのコンタクトをマーケティング対象にする

Marketing Hubでは、マーケティングメールや広告などの対象にするコンタクトが契約数へ影響します。既存顧客、採用応募、営業連絡先など、マーケティング施策の対象にしないレコードまで一律で対象にしないよう、フォームやインポートごとの既定値を確認します。

自動化を先に作り込みすぎる

担当者の割り当て、ステージ更新、メール送信を一度に自動化すると、どの条件でデータが変わったか追いにくくなります。まず手動で数週間運用し、繰り返し発生する判断だけを自動化します。

HubSpotを30日で運用開始する進め方

期間 実施内容 完了条件
1週目 目的、オブジェクト、プロパティー、パイプライン、担当者を決める 問い合わせから受注までの運用図と項目一覧がある
2週目 アカウント、権限、プロパティー、パイプラインを設定する テスト用の会社、コンタクト、取引を作成できる
3週目 既存データを移行し、トラッキングコードとフォームを設置する テスト送信から担当者の初回対応まで確認できる
4週目 ダッシュボードを作成し、実際の営業会議で確認する HubSpotの数字を基に対応と改善を決められる

30日で全機能を完成させるのではなく、1本の顧客獲得プロセスを動かすことが目的です。運用開始後に不足した項目、自動化、レポートを追加します。

HubSpotの使い方に関するよくある質問

HubSpotは無料で使えますか?

無料ツールから始められます。コンタクト、会社、取引などを使い、顧客情報と商談を管理するところから試せます。利用できる機能や上限は変更されることがあるため、導入時点の公式料金ページとアカウント内の表示を確認してください。

Excelの顧客データをHubSpotへ移せますか?

CSVやExcelファイルからインポートできます。コンタクトだけでなく、会社や取引を関連付けて取り込むことも可能です。メールアドレスや会社ドメインを整え、少量のテストデータで関連付けを確認してから全件を移します。

WordPressなど外部のWebサイトでも使えますか?

使えます。外部サイトへHubSpotのトラッキングコードを設置し、HubSpotフォームを埋め込めます。フォームの送信テストに加え、コンタクトの作成、流入情報、社内通知、サンクスページまで確認します。

どの段階で有料プランを検討すべきですか?

手作業による担当者の割り当てやメール送信が増えたとき、部門ごとの権限制御が必要になったとき、複数段階の自動化や詳細レポートが必要になったときが検討の目安です。欲しい機能ではなく、削減したい作業と改善したい数字を基準にします。

HubSpotの設定を外部へ依頼したほうがよいですか?

顧客管理と商談管理だけなら、自社で小さく始められます。既存データが複数のシステムに分かれている場合、マーケティングと営業の定義が異なる場合、フォームや計測を含めて短期間で運用を始めたい場合は、設計と初期実装を外部へ依頼する選択肢があります。

HubSpotは設定より運用ルールを先に決める

HubSpotを使いこなすために必要なのは、全機能の操作を覚えることではありません。問い合わせを誰が確認し、どの条件で営業へ渡し、商談と受注をどの項目で記録するかを決めることです。コンタクト、会社、取引の最小構成から始め、実際の営業会議で使いながら設定を増やします。

efuでは、顧客データの整理、リードの分類、フォームから営業への引き渡し、配信シナリオ、レポートまでを一つの運用として設計しています。HubSpotを含むCRMの導入や見直しについては、CRM設計の支援からご相談ください。

参考情報

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運営者情報

合同会社efu(efu, LLC)
法人番号:5010003034766(国税庁)
設立:2021年4月
代表社員:藤岡充輝
事業内容:SEO対策・広告運用 / CRM設計 / セールス支援 / 生成AIを活用した業務自動化 / Webメディアの企画・運営
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座一丁目22番11号 銀座大竹ビジデンス2階

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